前回からの続きで、ダメなコンサルタントの見分け方について書いています。未読の方はこのシリーズの初回からお読みください。
さて、今回も「ダメなコンサルタントの見分け方について」に焦点を当てます。
ダメコンサルの具体的な特徴
その2:具体的なアウトプットを提示しない
コンサルのアウトプットとは何か
コンサルの仕事は大きく大別して以下の2つのパターンがあります。
①問題解決
②問題提起(発掘)
※もちろん②→①という流れもあります。
①を依頼する場合はいいのです。具体的な問題が目の前にあるのですから。コンサルの仕事(アウトプット)は解決案を提示することになり、これは依頼者に判断しやすいものです。また、場合によっては解決までの実務実行も請け負ってくれるでしょう。
アウトプットが明確なので、いいコンサルかどうかを見分けるのは容易です。
それに対して②を依頼する際、コンサルは何をアウトプットしてくれるのでしょうか。
②の場合でもアウトプットが具体的な形として出てくるのがいいコンサルであり、煙に巻いた形になるのがダメコンサルなのです。
ダメコンサルの常套句
ダメコンサルを見抜くには、まず依頼時に掲題の「あなたのアウトプットは何ですか?」という質問をしてみることです。
結果として以下のような回答が返ってきた場合、かなりの確率でダメコンサルだと思います。
・アウトプットは最後に報告書という形で提出します。
・まずは現状分析をさせてください。その後にアウトプットを考えます。
上記回答は、一見、問題をしっかり把握して解決策を考えるという慎重かつ冷静な視点に見えるかもしれないのですが「現時点で課題が分かりません」と言っているのと同じことなのです。
ここでわかりやすくするために少し具体例をお話ししましょう。
例えば「システムの運用コストを削減したい」という依頼を受けたとします。
コンサルタントはこのざっくりした質問に対して、以下のようなアプローチをすることになるはずです。
1、既存システムの概要把握
2、既存運用フローのヒアリング
3、システムの詳細確認
4、類似事例などと照らし合わせ新たなフローを構築もしくは入れ替え提案(問題点の洗出しまでの場合も)
5、4までを(資料に落とし込み)依頼者へ提案
場合によってはこの後、システム入れ替えの運用指導などもあるでしょうか。
いいコンサルとダメコンサルを分けるのは、このような流れをざっくりでも言えるかどうかです。いいコンサルであれば上記の流れを説明し、「5で出てくる資料になります」とか、「新運用フローを従業員へ指導することです」いうアウトプット案を回答出来るはずです。
本当のコンサルタントはその道の有識者
上記のシステム入れ替えの事例に限らず、コンサルタントに依頼する内容は、そのコンサルタントが「得意分野」として標榜する内容になります。
いいコンサルであれば、世界中でどのコンサルも扱ったことがないようなよほど特殊な事例でもない限り、「得意分野」の類似事例には明るいはずですし、クライアントとの短いやりとりで得られた限られた情報だけでも、ある程度の仮説をたてて問題の「アタリ」をつけられるはずです。
そしてアタリがつけられるなら進め方も瞬時にイメージできるはずで、アウトプットとして求められるものも想定できるので、具体的なアウトプットを提示できます。
勿論、話を進める中でアウトプットが変わることはあり得ますが、それはそれでいいのです。最初にアウトプットを全く提示しないコンサルとは違います。
コンサルを選ぶ際には、是非「あなたのアウトプットは何ですか?」と聞いてみてください。
今日はここまでです。また、次回のコラムでお会いしましょう。
ひろたか