【MYCAFE】名古屋のコワーキングスペースMYCAFE倒産で考えたい事

【MYCAFE】名古屋のコワーキングスペースMYCAFE倒産で考えたい事


–2018/7/31 追記
本記事経由で運営スタッフさまより以下のコメントを頂きましたので、掲載させて頂きます。
 
>運営代行として株式会社エニシアホールディングスがマイカフェ をリニューアルオープンさせる運びとなりました。マイカフェ の名前はそのままにシステムなどの運営を自社で行なっていきます。また何かで縁がございましたらよろしくお願いします。運営スタッフより
 
継続ということで大変嬉しいですね、また折を見て伺わせて頂きたいと思います!


 
 
名古屋市西区のWEB/ホームページ製作会社[Aki Web Design]です。
 
今月初めのことですが、コワーキングスペース「MYCAFE」運営の(株)ファイブフロッグスが倒産というニュースを知って感じたことを書きたいと思います。
 
「いまさら?」という感じの方々には申し訳ない(苦笑
 

名古屋の草分け的コワーキングスペース「MYCAFE」について

 
2011年に伏見で創業された名古屋では草分け的なコワーキングスペースで、便利な立地に楽しいコンセプトで人気を博していました。
 
MYCAFEは当事務所にも縁があったコワーキングスペースで、当事務所のスタッフ及びお客様も会員でしたし、伏見店や錦店には私も何度も足を運んだもので、一時期は当事務所の移転も検討していたほどでした。
 
写真の通り自分の会社員時代のオフィスと比べても豪華でおしゃれだと思える内装は、名古屋のコワーキングスペースの中でも抜群で、いるだけでテンションが上がるスペースだったと思います。
 
そんなMYCAFEですが、2/7(水) に帝国データバンクの情報をソースに配信されたニュースによると

“(株)ファイブフロッグス(TDB企業コード:822006933、資本金100万円、愛知県名古屋市中区錦1-17-13、登記面:愛知県名古屋市中区栄2-2-23、代表田中慎也氏)は、2月2日に名古屋地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は池田伸之弁護士(愛知県名古屋市中区丸の内1-17-19、池田総合法律事務所、電話052-684-6290)。財産状況報告集会期日は5月31日午後3時30分。

 当社は、2011年(平成23年)6月創業、2012年(平成24年)6月法人に改組した、コワーキングスペース運営業者。学生やビジネスマン向けに、仕事や勉強、商談場所として利用可能な月額会員制のコワーキングスペースを提供。「MYCAFE」などの店舗名で、ピーク時には愛知県や東京都、石川県などに10店舗以上展開していたほか、店舗プロデュースも手がけ、2017年5月期には年収入高約9億円を計上していた。

 しかし、積極的な出店のため設備投資資金が先行していたこともあり収益性は乏しく、同業他社との競合激化もあって売上が伸び悩んでいた。こうしたなか、店舗維持費も負担となって資金繰りは悪化し、先行きの見通しが立たなくなったため、事業継続を断念した。負債は約14億円。”(引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180207-00010001-teikokudb-ind)

とのことで、スペース転貸を主とする事業としては中々にインパクトの大きい倒産であったことが分かります。
 
会員数こそ明らかにされていませんが、相当数の人が影響を受けたことでしょう。
 
倒産によって代表者などがいなくなった現在は、会員の中で有志的な活動をする人が一部の店舗で「暫定的な運営」を行い再建を検討している状態との事です。
 

マイカフェの倒産について考えなければならないこと

 
ここ数カ月こそ行く機会がありませんでしたが、上述の通り私も結構な頻度で利用していた店舗の倒産ですので、最初この報を聞いた時は驚きと同時に悲しくなりました。
 
MYCAFEに限らずのことですが、一般にコワーキングスペースは「働く場所を提供」するにとどまらず「登記」や「郵便物の転送」など事業を継続するにあたって必要不可欠な事項を請け負います。
 
また、個人レベルではなく事務所としてMYCAFE内にまとまったスペースを借りていた企業会員などは、早急に移転を検討することになりますが、事務所の移転には敷金/内装調整費用等かなりまとまった金額がかかってきます。
 
初期費用が少ないから、という理由でコワーキングスペース内の事務所を選んでいた小さい会社にとっては運営に支障をきたすレベルの出費になるかもしれません。
 
都内老舗コワーキングスペース「PAX Coworking」がその運営を締めるときは、会員に半年ほど前から通達を出していたといいますが、それでも準備期間としてはギリギリという印象です。
 
店じまいが資金繰りの悪化によるものとのことなので、最後の最後まで何とか続けようと粘ったのであれば仕方ないと思う反面、そのようなリスクを利用者が考慮するのは難しかっただろうな、と思うとやりきれない気持ちになります。
 
暫定運営をされている会員の方々の対応が首尾よく行きますようお祈りします。
 

マイカフェとかぼちゃの馬車に共通すること

 
「MYCAFE」運営の(株)ファイブフロッグスのHP(本日時点まだ見ることが出来ます)によると、

“私どもファイブフロッグスは、空室プロデュース経験と、自社で運営をするコワーキングスペースにより、空室で悩んでいた大規模なオフィスビルを活気ある空間へと変貌を遂げた実績があります。立地や建物にピッタリあった企画をご提案し、人が集まり収益化する空間に変えるお手伝いをさせていただきます。空室でお困りの物件をお持ちのオーナー様、新しい物件活用にご興味のある方、まずは一度お問い合わせください。”(引用:http://5frogs.com/building/)

とのことで、上述の通り自社で物件を保有するのではなく、転貸する形式であったことが分かります。
 
遊休資産の活用という内容ですので、先日書いた【かぼちゃの馬車】WEB以外へのフリー戦略適用について考えたい事の「かぼちゃの馬車」とは規模やインパクトが違うかもしれませんが、物件のオーナーにもそれなりの影響があったことと思います。
 
また、かぼちゃの馬車と共通することで考えられるのは、急拡大によって資金繰りを工面する自転車操業をしていたと思われる点です。
 
MYCAFE各店舗の出店年や財務状況、会員数を調べ切れていない中であり、完全に私の主観となるので異なっていれば関係者の方に申し訳ないのですが、新規店舗が出来るという情報を聞くたびに、やけにペースが早いなと感じていました。
 
勿論、自転車操業のための資金繰りを目的とするわけではなく、採算が取れると判断しての拡大という可能性もあります。
 
ただ、その場合は、事業の特性を考慮して慎重に拡大を検討できなかったかな、と思ってしまいます。
 
コワーキングや不動産賃貸業のような業態は、一度会員を集めると会費が毎月入るビジネスモデルです。
 
しかし、その分、人を集める競争はそれなりに激しく、よほど辺境の地であったり、ボロ物件を安値で取得したり、というような場合でもなければ、当初は赤字でも長い目で元を取るという運営をするのが常識的な方法となるはずです。
 
にもかかわらず急拡大するということは「どこまで融資がつくか、赤字期間を耐えられるか」が事業継続の分かれ目ということで、一つはしごをかけ間違えると大参事になりかねないリスクの高い運営ということになります。
 
そのようなやり方で上手く行っている会社もあるので、一概に悪いとは言えませんが、かぼちゃの馬車の様に建設会社兼サブリース運営元としてオーナーのお金を預かる立場であったり、MYCAFEのようにコワーキングスペースとして各社の事業基礎を預かる立場であれば、慎重になることはできなかったのかな、と。
 
成人式の呉服レンタルで問題になった「ハレノヒ」をはじめ、最近、関わったり関心をもっていた会社の倒産が続きました。そのどれもが多くの人を不幸にしていると感じています。
 
私も経営者の端くれとして時代の流れや現在の自社の状況を考えつつ、より慎重に、周りの人を見ながら事業の運営を考えていきたいなと思います。
 
今日はここまでです。またの更新でお会いしましょう。
 
ひろたか
 
※画像は公式サイト(http://www.mycafe.jp)より過去に取得させていただきましたものを使用しています。