名古屋市西区のWEB/ホームページ製作会社[Aki Web Design]です。
今回は、前回からの続きになりますので未読の方はそちらから。
実店舗とECサイトを比べた際、実店舗の持つ優位性を考察しています。
前回のブログにおいて、その優位性は「ショッピングの楽しさ」と説きました。
今回は、その「ショッピングの楽しさ」を具体的に説明します。
ECサイトにはない実店舗のショッピングの楽しさについて
「楽しさ」は皆が実感していることであるため、
まず具体例を挙げることから入りましょう。
もはや半世紀近く前の話になりますが、高度経済成長の時代において
日本で最も人気の合ったのレジャーは「お買い物」でした。
その時代、週末ともなれば家族そろってデパートへ出かけ、
お母さんはお気に入りの服、子供たちは玩具を買い、
そして屋上の遊園地で遊んで、レストランで食事をして帰宅、
そのような光景が日本各地で見られました。
この「お買い物」という行為は、レジャーとして成り立っていました。
金銭の代価として品物が手に入るだけではなく、
買い物を行うこと自体で精神的な充足感が与えられ、また、
デパートなどのお店もそれらを理解して、仕掛けを打っていました。
こうしてお買い物に出かける=楽しい,レジャーという図式が成立し、
さらに正の循環として、どんどん楽しいものとされていきました。
屋上の遊園地や、映画館、ゲームセンター、さらに近年見かける
買い物施設に付随した温泉施設などはその典型と言えるでしょう。
ECサイトで買い物をすることがつまらない理由
ここで、ECを考えてみます。
そもそもECという仕組みは広大な土地を持つアメリカで誕生しました。
広大な土地を持つため、なかなか店舗へ行けない田舎在住者は
1週間分日用品を買いだめする必要があるの当たり前です。
しかし日本ではそのような条件の人間は極めて稀で、
大体は近くに店があり、いつでも日用品を購入することができます。
(日本でも離島在住者など例外がありますが、あくまでここで言いたいのは
割合が 米>日本 であり、必要性が少ないという意味です。)
そのため、日本はECがより普及しにくい環境にあります。
その上で、ネットの買い物がつまらないと論じるのは以下の2点が理由です。
理由1:ECは面倒くさい
おいおい、1クリックでモノが買えるのに「面倒くさい」はないだろ?
と思う方もいるかと思いますが、事実多くの人にとって
ネットでの買い物は面倒くさいのです。
なぜならネットでは、膨大な情報があふれているため、
高額な商品であればあるほど多くのチェックを必要とします。
オフィシャルサイトや運営会社を確認し、掲示板やSNSで使用感を調べ、
さらに価格比較サイトで一番安いサイトを探す。
これらはすべて椅子に座った状態、かつ、モニターを確認する形で行われます。
しかも、ここで探すのをやめるのか、もう少し探すのか、
もっと安くていいものがあったらあきらめがつくのか、など決断の連続です。
情報が多いということは一見便利ないいことに感じますが、
取捨選択をしないといけない疲労感や煩わしさと表裏一体です。
その上で、やっとの思いで購入を決意しても
まず購入するサイトの会員になるため住所や電話番号などを入力し、
クレジットカードで決済をする手間を求められ、
やっと終わったと思えば「ついでにいかがですか?」
と新しい商品を買うかどうかという更なる決断を迫られます。
その上、届いた商品に欠陥があった際には、
もっと多くの決断やフローを経て手続きをしなければなりません。
理由2:ECは自分で検索したことに付随する情報しか得られない
近年のECは進化を繰り返し、インタレストマッチ
(興味の合う商品を表示する仕組み)
などを使用することで、お客が好みそうな商品をサイト側から薦める
ということができるようになってきました。
しかし、すべての仕組みはあくまで「お客が入れた情報」が起因です。
検索した結果、閲覧した結果、そのページに滞在した時間、など
お客の行動を分析して表示する仕組みが構築されています。
よって「ウィンドウショッピングの結果たまたま見つけた」ものや、
「今まで興味を持ったことはなかったが突然興味を持った」ような
モノとの出会いを演出することはできません。
先ほどのデパートの例で言えば、
服を買いに行ったのにたまたま時間が余ったから行ってみた
デパ地下で試食を薦められ、食べてみたらとても美味しい、
結果、その試食した食べ物を購入した、といったことは起きないわけです。
この予想外の出会は、お客の知見を広めることになり
気分の高揚を促すことで精神的な充足を与えると考えます。
実店舗がECを相手にするときに優位となる戦略について
上記のECが持つ、つまらなさを解消できる可能性が実店舗にはあります。
多くの店舗では接客を行う「人」の存在があり、
さらに多岐にわたる解消の選択肢を持つでしょう。
確かに実店舗は空間に限りがありコストがかかるため
ECの得意分野である値段や品揃え等で勝負していては負けてしまいます。
そのため、自店舗が楽しさや充足感をどのように与えられるか、
お客が面倒くさいと思わない買い物を如何に提供できるか、
それを真剣に考え、ECの構造的欠陥をついた差別化を図ることが必要です。
そのことを追求できる限りにおいて、実店舗はECに駆逐されることはない
と言うことができるでしょう。
なお、勿論、当事務所はWEB屋なので、そのことを理解したEC運用も案内しています。
自店舗の今後を真剣に考える方は、是非お声がけください。
また、次回の更新でお会いしましょう。
ひろたか